がんセンターの医療事故に思う

 6月県議会の一般質問で、私は千葉県がんセンターの相次ぐ医療事故問題を取り上げ、がんセンターへの県民の信頼が揺らいでいると指摘しました。質問の1点目として、医療事故をなくすために根本的に何が必要で、どんな対応が求められているのか、とただしました。

 これに対し、森田知事は「医療事故の防止には、特にチェック漏れなどの人的ミス、いわゆる『ヒューマンエラー』の発生を防ぐことに加え、エラーを早期に発見し、それが大事に至らないよう対処することが重要だ」と答弁しました。

 ところがどうでしょう。この議会答弁からひと月余りしか経たない7月20日に、問題の医療事故のほかにも手術ミスがあり、2リットルもの大量出血があったにもかかわらず、その事実を患者側に伝えていなかったことが報道されました。

 新たに明らかになった医療ミスは、昨年12月に食道がんの60代の男性が、食道摘出の手術を受けた際、医師らが止血用の機器の操作を誤り、本来なら「凝固」にしなければならない設定を「電気メス」モードにしてしまい、約2時間後に気づくまで出血を止められない状態になっていたと報道されています。

 これこそが、知事の言う「人的ミス・ヒューマンエラー」そのものです。発生時点は、知事答弁より前だったとしても、県議会で私が指摘した腹腔鏡手術ミスや検体の取り違いで女性の乳房を誤って全摘出した事故の後も、同様の人的ミスが相次いでいたことになります。

 これはゆゆしき問題です。がんセンターでは、日常的に医療ミスが発生していたと言われても弁解できません。病院関係者は、本当に真摯に反省してほしいと思います。私の県議会リポートでもお伝えしていますが、森田知事が答弁で発言したように「医療安全管理の実務者を担当者として、医師をはじめ医療従事者が一丸となった管理体制の強化」をしっかりと図ってもらいたいと思います。

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