5月のゴールデンウイークを迎え、房総半島はまさに春本番。観光スポットや海鮮グルメスポットも多く、色とりどりの花が咲く新緑の南房総は今が見ごろ。ぜひお出かけ下さい。
しかし、行政の視点からみると課題も少なくありません。先に厚生労働省が発表した全国の市町村別合計特殊出生率では、全国平均が1・33だったのに対し、鴨川市は1.24、南房総市は1・18、鋸南町は1・12と千葉県平均の1・25さえ下回ってしまいました。
合計特殊出生率とは、ご承知のように女性1人が生涯に産む子供の推定人数のことで、少子化のバロメーターとされる数値です。近年、若者の未婚・晩婚化の傾向が高まっていることに加え、調査対象期間とされた令和元年から令和4年にかけてはコロナ禍が影響したとされています。ただし、あまりにも出生率が低いとその自治体は、将来の消滅可能性が高いとまで評価されています。
残念なことに、国の「人口戦略会議」が発表した将来の「消滅可能性自治体」に、わが南房総市と鋸南町が含まれてしまいました。戦前の国策だった「産めよ、殖(こや)せよ」の時代から、戦後間もなくの「ベビーラッシュ」が、遠い昔のこととなってしまいました。結婚しない若者が増えた背景には、経済的な理由や価値観の変化などさまざまな社会状況が反映されています。
人口減少をめぐっては、子どもを産む中心世代となる20~30代の女性にとって、結婚し子供を産み、子どもを育てやすい環境を整えることが最重要です。私たちは、消滅可能性自治体との指摘を一つの警鐘と受け止め、危機感をもってこれからも少子化対策に真剣に取り組んでまいりたいと思っています。