安房地域の声を県政へ―と、県議会で活動させていただいている木下(きした)敬二です。9月定例県議会は、8月27日に開会しました。今議会は、年度途中の補正予算の審議が中心ですが、一般会計で146億円余りが追加補正され、合わせて一般家庭で言えば貯金にあたる財政調整基金に22億円を計上する予算案が議会に提案されています。
ところで、地域の問題に目を移せば、相変わらず野生鳥獣被害が深刻です。県農林水産部が8月14日に発表した昨年度の農作物被害額は、全県で約3億8400万円に上り、このうちイノシシによる被害が、全体のほぼ4割を占めています。被害を届け出ない農家も多いはずですので、これを考えれば被害額はさらに増加するはずです。特徴は、安房・夷隅の県南部から山武・海匝地域にも被害が拡大、イノシシの住みかになりやすい耕作放棄地が増えたことが原因と見られています。
私も、この問題は幾度となく県議会の場で取り上げ、県当局にしっかりした対応策を求めてきました。私は、有害鳥獣の駆除には、まずその生態を調査することが前提だと主張し、県もイノシシの被害と生態との関係を研究すると答弁しています。また、耕作放棄地の管理を市町村と連携して強化するとしていますが、一方で農村の高齢化もあって、イノシシに荒らされるので耕作放棄するという悪循環もみられ、農村環境を変えるような抜本的な対策が求められています。