立ち向かえ風評被害

 千年に一度とも言われる東日本大震災は、東北各県だけでなく、千葉県内でも死者20人、行方不明者2人、負傷者248人の人的被害を招いたほか、家屋の全壊780棟、半壊8300棟、一部損壊に至っては2万8千棟を越える大災害をもたらしました。福島県の東京電力福島第1原発は、いまだに収束へ向けた確かな歩みが見えてきません。このため、南房総地域では、震災による直接的な被害は少なかったものの、津波と放射能汚染という目に見えない不安感から、風評被害という形で襲いかかりました。

 3月11日の震災以降、南房総地域の観光施設は、首都圏からのお客様がすっかり姿を消し、ひっそりと静まり返ったままの状態が続きました。南房総にとって観光は、重要な産業の柱です。そこで、観光業をもう一度復興させ、南房総に観光客のにぎやかな声を取り戻そうと、さまざまな取り組みが行われています。その一つが、南房総市の観光協会が実施した「南房総あったかハートプロジェクト」です。プロジェクトに参加した宿泊施設の利用者に、市内で買い物ができる2千円分の商品券をプレゼントする企画です。

 さらにユニークなのは、宿泊料の一部や利用した商品券の換金手数料が義援金として被災地へ贈られるというシステムです。実際、この取り組みは観光客にも好評だったようです。こうした地道な努力が少しずつ実を結びつつありますが、まだ道半ばです。心を一つにして風評被害に立ち向かうことが大切ですし、何より大切なのは、継続性です。これで終わりではなく、第2、第3のキャンペーンを企画し、首都圏の観光客にアピールしていく姿勢が必要だと思います。まさに「がんばろう 日本!」「がんばろう 南房総地域!」ですね。

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6月補正予算で放射能対策も

 改選後初めてとなる定例県議会は、6月15日に開会し、21日から各党代表質問と一般質問が行われました。主な質疑は、やはり東日本大震災に伴う震災対策で、各党、各議員とも原発事故に伴う対応などについて、県当局の考え方をただしています。30日から各常任委員会審議が始まり、7月8日に閉会の予定です。

 6月定例会の第1号議案は、328億1千8百万円の一般会計への追加補正予算案です。今回の補正は、東日本大震災により、深刻な状況が長引く原発事故の影響への対応として、携帯可能な放射線量測定器であるサーベイメーターを35台整備するとともに、海水中の放射能濃度を測定するための経費などが計上されています。

 今回の震災で、県内商工業者が被った直接的な被害額は約450億円だったとする試算が県議会で報告されました。観光への影響では、ゴールデンウイーク中の観光施設の利用者は前年同期比16%減で、宿泊施設は同15.7%減でしたが、6月上旬の調査では、観光施設が約2割、宿泊施設は3割強の減少とさらに深刻な状況です。

 このため、売り上げ減など間接的な被害を受けた中小企業の資金繰りを支援するため、震災復興枠として県による金融機関への預託金が300億円積み増しされ、融資枠を拡大する措置がとられました。また、南房総地域などは夏休み期間中の観光シーズンに向けて、商工業者などの期待も高いことから、1日も早い観光需要の回復を目指して、県として「夏の観光キャンペーン」を実施するなど、対応に努めているところです。

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農林水産常任委員長に就任しました

 4月の改選後初めての5月臨時県議会は、5月18日から20日までの3日間開かれました。お陰さまで、私も2期目の議席をお預かりし、これから4年間一生懸命、地域の声を県政に届け、地域のますますの発展のために働いていく覚悟です。また、臨時議会では常任委員会の委員の互選が行われ、私が委員長に推薦され、就任することになりました。南房総市・安房郡をはじめとして県南地域は、農林水産業が主産業ですので、この重責をしっかり果たせるよう務めてまいります。

 臨時議会では、東日本大震災の災害復旧・復興を図るための補正予算案の審議がメインでした。通常、改選後の臨時議会は顔合わせ的な議会となるのですが、今回は大震災後だったことから、自民党などが緊急の補正予算を組んで被災者への災害対策を図るよう要望したしたこともあり、528億円余りの補正予算が編成されました。議会では質疑も行われ、災害対策に対する県の当面の考え方などが説明され、補正予算は全会一致で可決されました。
 主な予算は、(1)被災者の生活再建支援に101億円(2)道路や港湾などインフラの復旧に192億円(3)産業の再生・復興に101億円(4)被害を受けた学校施設・社会福祉施設等の修繕費に約36億円が計上され、災害復興・地域再生基金への積み立てに約93億円が充てられました。国による国庫負担で対応できない分は、県の単独事業費が積極的に充当された予算となっています。

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県南地域の観光産業の復活を目指します

 国政も県政も、今は東日本大震災への支援とその対応策が最大の政治課題です。東北各県と茨城県の地震及び津波被害は、大きくマスコミで報道されていますが、千葉県内でも亡くなった方が18名、行方不明者2名(現在県警で確認中)、負傷者224名、建物火災13件、家屋の全壊748棟、全半壊合わせて1万7千棟以上のほか、ライフラインの損傷など甚大な被害が出ています。(4月13日現在、県防災危機管理監調べ)

 このため、県議選後の5月に招集される臨時県議会は、通常であれば形式的な議会となるところですが、今年は、東日本大震災に対応するため、県から補正予算が提案されることになり、5月18日から3日間開催されることとなりました。これに先立ち、わが自民党県連では「東日本大震災に伴う災害復旧・復興に関する緊急要望」を28日、森田知事へ提出しました。緊急要望は、県の補正予算へ県民からの要望をしっかり反映させるための措置です。

 特に、県南地域の声を県政に届けるため、私も県連に要望し、観光客の激減に苦しむ南房総地域の地域経済を活性化させるため、観光地の安全性のPRや風評被害の防止に、県として積極的に取り組むよう求め、要望書に書き加えさせました。福島県の東京電力第1原発の事故に見通しがつかない限り、関東周辺の観光産業はなかなか100%の回復までには道が遠いかもしれませんが、何とか夏休みまでには事態が収束され、安全・安心が明確に打ち出されるようにしてもらいたいものです。私も、県議会の場で積極的に発言し、地域経済の核となる観光産業の復活に一生懸命尽くしてまいる所存です。

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地方バス路線の維持を訴え

 2月定例議会は、ただいま開会中です。私は2月22日(火)の一般質問に登壇しました。私の質問と森田知事ら県側の答弁の様子は、県議会のホームページから「インターネット中継」をクリックしてもらえれば、すべてご覧いただけますので、関心のある方は、どうぞご覧下さい。私の主な質問項目は、農業問題、地上デジタル放送、地方バス路線の維持、教育問題などです。

 このうち、地方の路線バス問題について南房総市の実情を紹介します。ご承知のように、県南地域は県内でも少子高齢化、過疎化が急速に進展しています。そんな中で、地域のお年寄りをはじめ、地元住民の方々にとって、日常生活を送る上で欠くことのできない公共交通手段が路線バスで、特に南房総市にとっては、喫緊の課題です。都市部では「買い物難民」などと言われていますが、郡部では買い物ばかりか、通院・通学など日常生活に欠かせない住民の足が、路線バスなのです。

 私は、国県の補助対象にならない地方バス路線を維持していくためには、県独自の補助制度の創設をしっかり訴えました。県当局は、現在支援制度の見直しを進めていると答弁していますが、今後とも市町村が行う路線バスを維持していくためには、国に対し、必要な地方財源の安定的な確保と、地域の実情を踏まえた国や県の補助制度の要件を緩和してもらうことが重要で、私は質問の最後に、特にこのことを要望いたしました。

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県南地域の道路網整備は喫緊の課題

 房総半島は今、露地栽培の花が真っ盛りです。房総と言えば、お花畑が代名詞と言っても過言ではありません。冬の花畑、5月の連休、夏の海水浴シーズンと合わせ、房総の観光は日本の四季に支えられています。

 しかし、その観光客を迎える地元にとって、頭の痛い問題は、房総半島の道路整備の遅れです。私は、これまで何度も県議会の場で道路整備を強く訴えてきましたが、県財政が大変厳しい状況にあることからも、なかなか思ったように整備が進んでいません。

 昨年4月、県がまとめた「輝け!ちば元気プラン(千葉県総合計画)」では、「東京湾アクアラインによるポテンシャルの開花」というタイトルで、アクアラインを有効に活用することで、県内に埋もれている多くの宝、ポテンシャルに磨きをかけ、経済の活性化や地域振興を図る―と謳っています。また、東関東自動車道館山線の4車線化の早期整備も国に働きかけていく―としていますが、動脈部の整備促進と同時に、房総半島先端部の毛細血管のような県道整備も喫緊の課題です。県南地域の道路網は、いずれも狭隘で曲がりくねっており、歩道の整備も遅れているため、交通事故も多発しています。

 特に、観光シーズンには交通渋滞でほとんどマヒ状態になってしまい、地域住民の重要な生活道路にもなっていることからも、早急な道路改良が必要です。

 私は、こうした中、県道外野・勝山線や県道和田・丸山・館山線の道路改良工事の早期着工・完成を訴えてまいりましたが、県道外野・勝山線は平成22年度に工事が竣工し、県道和田・丸山・館山線は平成23年度に工事が着工することに決定されました。今後とも県南地域の道路改良にしっかり取り組み、一日も早く、アクアラインの経済効果が本当の意味で県南地域に及ぶよう、“光輝く房総半島”の実現に向けて渾身の努力を傾けてまいります。

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謹賀新年

 新年明けまして、おめでとうございます。南房総市・安房郡の皆さまには、輝かしい新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。昨年中は、さまざまな場面でご支援やらご厚情をたまわり、地域の代表として県議会活動に誠心誠意努めてまいりました。本年も力いっぱい頑張ってまいる所存ですので、なお一層のご鞭撻のほど、お願い申し上げます。

 さて、昨年末の二つの出来事を紹介し、県政報告といたします。一つは、12月定例議会で、我々ちば自民党県議団が発議案として上程した「千葉県体育・スポーツ振興条例」が、県議会で圧倒的多数の賛成で可決・成立したことです。これは、昨年の「ゆめ半島千葉国体」で千葉県が天皇杯、皇后杯を獲得して悲願の総合優勝を遂げたことなどから、なお一層のスポーツ振興に努め、子供から高齢者まで健康で活力ある地域社会の実現を目指し、そのために必要な支援を県が行うことを明文化した条例です。

 もう一つは、平成21年の千葉県の農業産出額が3・6%減少したものの、4,066億円と全国3位の地位を守ったことです。12月末に農水省から発表されました。県農林水産部の分析では、野菜と米の減額が大きかったため総額が減少しましたが、南房総市・安房郡で盛んな生乳は5・8%増加し、果実などの生産も増えています。

 しかし、政府がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への参加検討を表明しており、我々自民党県議団も危機感を強めています。貿易自由化により関税が撤廃されれば、県の試算でも農業産出額は3分の1減少してしまいます。何としても日本の稲作農家や酪農家を守るための方策を政府に強く求めていかなくてはなりません。この問題は、これからも県議会で大きな議論を呼ぶことは必至です。私もしっかり取り組んでまいります。

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南房総の花卉(き)栽培さらに促進すべき

 南房総市は、首都圏だけでなく、全国的にも花の栽培で有名です。特にこれからの季節は、お温暖な気候を生かした南房総ならではの花卉(き)栽培で忙しくなります。年末年始の休みに、たくさんの観光客が花摘みに南房総を訪れ、賑わいます。花卉栽培は、いまや南房総を支える大切な産業のひとつになっています。

 南房総市の西岬といえば、ストックの出荷量が群を抜いています。最近、西岬では初夏に出荷する小さなサイズのヒマワリが開発され、ヒット商品になりました。普通サイズのヒマワリに比べて、小ぶりで愛らしく花ビンに生けやすいなどの特徴から、消費者の心をつかんで大ヒット商品になりました。メインのストックは、年に2回ほど栽培でき、その合間に工夫次第で新しい売れる花を作っていけば、南房総の花卉栽培はますます将来が楽しみになってきますね。

 南房総は観光そのものがかなりの部分、花に負っていますが、まだまだこれを伸ばすべきだと考えています。他の土地にはないメリットですから、それを生かした観光地にするためにも、フルシーズン、花がある地域にする必要があります。冬場だけの限定された花畑ではなく、通年型の花の南房総にするために、生産者の意見を聞きながら、JAにも協力いただき、県にも要望しながら花卉栽培をさらに進めていくべきだと思っています。

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農林水産物の特産品開発に県の支援を!

 農産物の関税撤廃など、昨今の国際経済情勢下で、農林水産業を取り巻く環境はますます厳しさを増しています。私は、さきの9月定例議会でも県当局に対し、その考え方をただしましたが、小規模な加工グループによる農林水産物の新たな特産品開発に積極的に取り組むべきだと思っています。県は、「ちばエコ農産物」や「千葉ブランド水産物」の認証制度を設け、消費拡大に努めるなど「千産千消」を推奨しています。

 しかし、農林水産物の加工技術となると、他の地域と比べても遅れをとっており、農林水産物の高付加価値化が進んでいないのが現状です。そこで、地域、地域で特徴のある加工品を開発し、特産品として売り込んでいくことで、少しでも地域経済に役立つよう努力していくべきだと思うからです。私は、こうした特産品開発に意欲ある加工団体・中小零細企業に対し、県が積極的な支援策を実施すよう求め、県の考え方を聞きました。

 また、こうした特産品開発には新たな加工施設や加工機械などの設備投資が必要になってきますので、私は「加工機械設備導入補助制度」の創設を提唱し、真剣に検討するよう強く要望しました。安房地域でも、女性を中心とした複数の加工グループが活動していますが、商品化するには新たな設備が必要で、なかなか進まないのが現状です。県も私の質問に対し「農林水産業の所得を増やし、地域産業を活性化させるには、こうした取り組みは重要だ」と答弁していますので、この実現を目指しこれからも頑張っていきたいと思っています。

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観光立県目指し再度一大キャンペーンを

 9月定例県議会は9月17日に閉会し、今は9月25日から「ゆめ半島千葉国体」が開催されています。全国からたくさんの選手、役員、応援の方々が千葉県を訪れていますので、観光面でも大きなインパクトになる催しです。ぜひ温かい「おもてなしの心」をもって、南房総地域の観光振興にも結びつけていきたいと思っています。

 私は、先に行われた9月県議会で一般質問を行い、「観光立県・千葉」について、森田知事の考え方を聞きました。このうち、千葉県がJRグループと協力して平成19年2月から4月末まで実施した「ちばDC(デスティネーションキャンペーン)」の第2弾を実施すべきではないかと尋ねたところ、森田知事は「前回の実施から3年が経過し、次回のデスティネーションキャンペーンを検討しても良い時期にきていると思います」と答弁し、積極的な姿勢を示してもらいました。

 「観光立県」を目指し、南房総の地域振興を図るためには、こうした一大キャンペーンを実施し、関係機関と地域が一体となって観光立県への機運を醸成するとともに、私たちも主体的に活動していくことが大切だと思います。南房総への宿泊客を増やしていくためには、心のこもったおもてなしによって、「また来たい」と思っていただけるような魅力ある地域へ向けて、官民一体となった努力が必要だと思います。

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